ドッグスレッド 2巻

FEEL

1巻の1ヵ月後に2巻が出るなんて最高。今回も発売日19日の2日後くらいに読んでいました。
初読の際、読み終わったとき「え、もう終わり!?」ってなったんだけど、今、感想書くために読み返したら、しっかりボリュームあった。夢中になって読めるって幸せなことだなぁ。

感想書いてまいります(注意:東日本大震災について触れます)。

現在描かれているのは過去

今後の展開について

驚きました。まさか東日本大震災が起こるとは。
でも確かに1巻の冒頭で2010年って言ってるの! たぶん読み飛ばしてはいなかったはずなんだけど、全然、気に留めていませんでした。

ってことは、2011年時点で15歳のロウくんが、少なくとも28歳になるまでくらいは描く予定があるってことでしょ? 今2024年なんだから。
オリンピックに行くんだろうね。2026年の冬季五輪に出るんだろうか。それとも2022年の北京に出るのかな~。もっと早く出て、コーチや監督になったロウくんを描くつもりなのかな~。

なんにせよ楽しみですね。アイスホッケーに出合ってからのロウくんの足跡を一緒にたどっていけるのですから。

東日本大震災の描写

狼之神高校の連覇を止めた八戸での被害が描かれていました。
五戸さんが、「絶対に婆ちゃんを救う」と決めて行動したのは胸を打ったけど、こういうとき、迷う人はやめておいてねって思います。五戸さんは意志がめっちゃ強かったし何の迷いもなかったからうまくいっただけだから。「誰かのために動くのが正義」みたいな考えにとらわれて動くと、命を失いかねません。
でも、生き残ってよかった。二人とも。

震災後、喜びを見出せなくなった五戸さんに「震災前にやってらったごど取り戻すのが大事だべ!!」と言い放つ桐渕さんも、「17歳は人生で一度きりだすけ……」と言ってあげるお婆ちゃんもよかった。
ここで心をちゃんと動かせる五戸さんにも、希望があったってことなのだけれども。
そのあとホッケー用具が全部見つかる展開も好きです。
五戸さんが言うとおり「続けろ」ってことなんですよね。これ。

連覇を逃す狼之神高校

前半はずっと試合でしたね。
ロウくんが狼之神高校のベンチに降りていき、わちゃわちゃして笑いを挟みつつも、基本的には真剣に試合の模様が描かれていました。

正直、描かれ方からして、狼之神が負けるんだろうなっていうのはわかっていました。
「守らなきゃ」という恐れの意識では守れないこともありますね。相手が「狼之神には勝てない」と思い込んでいたら話は変わるでしょうけど。今回の八戸は「勝ってみせる」という気合がありましたし。

追われる立場の人たちは、どういう心持ちでいたらいいのかな。
「勝つのは当然だ。こんなに練習したんだ」という気持ちでもいけそうだけど、やっぱり「楽しいなアイスホッケー」という感情が基盤にないと、難しいだろうなって思います。

ロウくんの思いや考え方

「楽しい」とか「好き」とかが土台

上で言ったとおり「楽しいな」というのは、何をやるにしても基盤になるものなんですよ。
これ、私が今、心底思っているので、「「楽しい」とか「好き」とかって、一番下に必要な……土台だろ?」というロウくんの発言には完全に同意でした。
15歳でもうわかっているんだ。すごいな。
お母さんに言われるがままにフィギュアスケートやっていた中で、お母さんやハルナちゃんの感情を繊細に感じ取りながら、自分の中に「楽しい」がないことに気づいて、疑問をもっていたんですね。

お母さんの死が、ロウくんにとっての転機になったんですね。
自分はもう楽しくない。続けてもハルナちゃんすら幸せになれない。だから暴れた。
1巻を読み返すと、ロウくんは人には暴力をふるっていません。物は壊したけど。せいぜいが手袋を投げつけた程度。
なんだかんだ、美しいことしかしない人なんだなぁ。

ハルナちゃんがロウくんからこの話をされるとき「その煙突お前のクチに突っ込んどけよ!!」という斜め上の捨て台詞を残すのがいいですね。これも、ギャグとシリアスのバランスというか。
ここでハルナちゃんも、自分と向き合えるといいけど……まだ子どもじゃん????? 大人がサポートしたげてよ~マジで~!!!!

自分に正直

フィギュアよりアイスホッケーを観にいきたいという気持ちに従う。
狼之神高校でしっかりアイスホッケーを学びたいという気持ちに従う。

そうやって、自分の本心と向き合ってごまかさないのがロウくん。推せる。

目の前の物事をフラットに見られる力

狼之神と八戸の試合で、みんなが狼之神が負けて連覇が途絶えたことにとらわれる中、試合が面白かったってところにフォーカスするロウくんが輝いて見えたよ。
この純粋性、本当に宝だなぁ。
彼は、たとえ試合に負けたってすがすがしい気持ちになれる人だと思う。
そして、この純粋性があるから、負けないんだと思う。

それから、最後のトレーニングで先輩に引っ張ってもらったとき、「すごい!! 狼之神で2年間陸トレを続けると、こんなにも力強く走れるのか!!」っていう視点に立ったのもブラボーだった。
自分がつらくてしんどいときに、「あ、これを続けたらこうなれるんだ」っていう考えに至れるのすごくないです?

狼之神の先生が、厳しすぎるようでいて生徒一人ひとりをちゃんと見ていて、つぶさないように調整していると見破っていたのもよかった。

優しい

ハルナちゃんに追いかけられたとき、「折れた!」って言われて「大丈夫?」って戻っていってあげるの、まじ優しい。こういうところが推せる。

気になるものは気になる

笑いの要素の一環でもあるんだけど、おじいちゃんのグローブの下りもいいよね、素直で。
強くなれる気がするからこのグローブを使いたい。でもにおいはやっぱり気になるな、みたいな(嗅ぐ)。

自分の頭で考える

ラスト、狼之神高校のアイスホッケー部の練習に参加するところで、権力者の言うことを鵜呑みにしないロウくんの姿がこれでもかというほど描かれていました。
「逆らうのはマズい(嫌われる)」という周りの考え方をものともしない。納得できないことには納得できないって言う。その姿勢がすがすがしい。

「先生の言うこと全部素直に聞いてたら、俺はアイスホッケーでオリンピックに行けるの?」という発言は決め台詞になっていましたが、この台詞のすごさって「俺は自分の頭で考える」もあるけど「俺はオリンピックに行くつもりです」もあって、ロウくんの大物ぶりがうかがえるところにあるんだよね~。すごいよ。

ちなみにこのとき、先生がなんでわざわざスヌーピーのエプロン着て出てきたのかはわからない……(車の中にもスヌーピーいたから好きなんだろうね)

その他のギャグ的な部分

かなまら祭

まぁ、そうだろうと思ってたけど(知らなかったので)調べちゃったよね……

ロウくんTシャツ

いつか商品化されるんだろうかと思ってしまうよね……

と、こんなものでしょうか。

相変わらず漫画がうまくて、「ここにまで背景入れる!?」ってとこにまで背景入ってたりして(アシさんがやっているのかもですが)、人物だけでもすごい量なのに何が起こっているかもやっぱりわかりやすくて、惚れ惚れしながら読んでいます。
でもあれですね、おそらく見開き使うのやめたっぽいなと感じています。さらにモバイルファースト。

そして、野田先生は、主人公を本当に誰よりも魅力的に描いてくれる人で嬉しい。主人公を推せる作品はいい作品だと思います。

金カムのときはもう終盤ってときから一気に読んで追いついたからできなかったけど、今回は1からロウくんの人生の旅を一緒に追えるのが嬉しい! これからも楽しく読んでいきたいと思います。
野田先生が、ずっと楽しく漫画描いていられますように。

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