A.I.

FEEL

2001/アメリカ合衆国・イギリス/146分/監督:スティーヴン・スピルバーグ/主演:ハーレイ・ジョエル・オスメント

洋画生活4日目。有名な映画だけど今まで観たことのなかった『A.I』を選びました。
※見出しなしで書いていたけど少しまとまってたのでつけました。

デイビッドを通して見えるもの

ゴーストのある機械にものすごく弱い私なら、この少年に心を寄せて泣くんじゃないかって思ったけど、全然泣けなかった。

視聴中、自分の中にずっとあった感情に名前をつけるなら、たぶん「怖い」が一番しっくりくる。
植えつけられた愛、思い込みの愛のために長い旅をしたデイビッドを、まっすぐ見つめるのがとても難しかった。

いや、でも、子どもっていうのはそういうものか。親を一度も愛さない子はいないもんね。人間界の子どももまた、植えつけられた愛、思い込みの愛をもっているのかもしれない。
人間じゃなくロボットになったことによって、愛情を抱くことの不自然さが浮彫になって気持ち悪かったのかな。
あんなに一生懸命だったけど、根底にある感情が私には虚構に見えていて、怖かったんです。

デイビッドが自分と同じ型のロボットを見て激昂したのも恐ろしかった。
え、壊すの? いきなり暴力なの? って、引きました。
ロボットだから極端なんだよね。これもたぶん、極振りした人間の姿を見せられて気持ち悪かったのだと思う。

最後も、夢を叶えて幸せそうにしてたけど、それは君の夢じゃないよね、って思った。植えつけられた愛が生み出した幻想の夢にすがるデイビッドが気持ち悪かったよ。

ああ、でもこれもまた、人間が陥りやすい末路かもしれない。他人に自分の人生をゆだねてしまう人、たぶんいっぱいいるから。親に、好きな人に、所属先のだれかに。

そういった、人間の極端な、偏った姿を、無垢に見えるデイビッドを通して見せられたのか、と、なんとなく思っています。

デイビッドにゴーストはあるか?

デイビッドの境遇はとてもしんどかったと思います。
いやもう、マーティンによる子ども特有の破壊的で残酷な嫉妬心がすさまじかった。子どもって、こういう尖り方をしてしまうときがあるよね……いや、わかるよ。だって彼にとっても親は生命線なのだから。子どもにとって親に見放されるのは生命の危機ですから。つなぎとめるためにどんな手段でも使うというのは、気持ち的にはわかるよ。
子どもだから気持ちだけじゃなく実行に移してしまうのもわかるよ……きっといつか、彼は彼で自分がしたことと向き合う日が来るから、憎くはないです。彼は彼の人生を生きている。

そもそも勝手に生み出され、勝手に連れてこられ、勝手に愛させられたデイビッドなのにね。
人間の都合で捨てられる。かわいそう。というふうに、思う人が多いんだろうか。

もしもデイビッドにゴーストがあるのならば、たぶん思い込みの愛に気づく日が来たはずなんです。
自分の人生を生きる選択を、したはずなんです。
でも本当に、最後の最後までしなかった。「人間にならなければ愛されない」と条件付きの愛にすがっていた。
いや、これも人間の姿なんだけどね~~~!!!! 「〇〇じゃないと愛されない」は、誰しもが一度はもつ信念だと思うけどさ~~~!!!!

だから私は、デイビッドの中にゴーストを見なかった。だから、ずっと怖かったし気持ち悪かった。

僕は生きた

一度だけグッときた場面がありました。

それが、セックスロボットのジョーが「僕は生きた」「そして消える」って言ったときなんです。
今も少し涙腺が緩むので、たぶん私はジョーにはゴーストを感じている。

彼は、デイビッドとの出会いによって、目覚めたんじゃないかと思う。
自分の人生を生きたんだと思う。
デイビッドをサポートし、同型のロボットを壊す彼に引きつつも、自殺しようと海に飛び込んだ彼を助けたりしたんですもの。
女性を悦ばせるためだけに作られたロボットが。

その証が「僕は生きた」なんだと思う。あ~、これ、私も死ぬときに言いたいなぁ。「私は生きた」って宣言したいです。

そしてジュード・ロウはカッコいい。

そんでもって吹き替え(で観た)調べたら大川さんだった~~~!!!! そりゃ刺さるわ。渾身の「僕は生きた」だったんだ。

宇宙の命を使いきれるのは一度だけ

ちょっとちゃんとした文言はまったく覚えておらず、見出しにしておきながら間違っているに違いないのですが、最後、宇宙人のような人たちがクローンを作っても1日しか生きられないことについてこんな感じのことを述べていましたね。

今の体で生きられるのは一度だけ。たとえ魂が輪廻転生したとしても、記憶はリセットされるはずです(思い出すことはあるかもしれないが)。

この体でできることはすべて、やりきりたいですね。




この作品、私には全然刺さらなかったんだけど、書いてみたら意外と感想書けました。
こうやってまとめてみると、得るものもあった気がする。書いてよかったな。
キューブリックの作品をスピルバーグが引き継いだというのも、いい話です。

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