ABEMA独占配信だったのでうっかり見落としていた物語シリーズの最新シーズンをやっと観ました!
終物語あたりから、「求めているのと違う……」という気持ちがあったのですが、新しいかたちになりつつも、今回のお話は面白く観ることができました。
西尾さん、やっぱりお話づくりがうまいなぁ。伝えたいことをエンターテインメントの中に落とし込む力が強い。
こういう話を私も書きたいなって(特に撫物語で)思いながら観ました。
まぁ私は私にしか書けない話を書くしかないんですけどね!
簡単に感想つけておきます。
愚物語
始まってすぐに、早見さんがこれまでの浩史さんばりにしゃべり続けているーーー!!! と思いました。語り手が阿良々木くんから変更になったというわけです。猫物語白もそうだったっけ?
早見さんがすごいのは、本当にずっと余接ちゃんでいるところ。声優さんなんだから当たり前なんだけど、ずっと血が通っている……いや、人形だから通っていないのか?(物語シリーズはこういう言葉遊びをしたくなるよね)
早見さんのよさはこういう役じゃないほうが活かせると思うんだけども(ダンまちのリューさんもなんか違う)、それでも余接ちゃんであり続けられる人にしかできないよねってなったら適任だと思いました。
おかげさまで、ゴーストがあるようなないような人形、死体が復活したような怪異のような人間、そういう余接ちゃんの存在そのものの面白さが味わえています。
なんだかんだアイス好きなのかわいい。
月火ちゃんも、改めて「人間じゃないんだよなぁ」って思いました。自分ちに油まいて火つけようとは、(家に恨みがない)人間だったら思わないだろうなぁ。
撫子ちゃんも、神様辞めたと思ったらえらい素直な子になっていて、新鮮でした。
なめくじにトーン貼ってるのよかった。それをツッコむ余接ちゃんもよかった。
話そのものに関しては、特に思うことはなかったです。
撫物語
めちゃくちゃよかった~!!! 大好きでした。これ、私だから響いているんだろうなぁって思います。
そして今回は花澤さんが語り手! いやぁみんな大変だなぁ。
何が好きだったかというと、この話のテーマが、撫子が過去の自分をすべて受け入れるという部分だったところ。
人の顔色ばかりうかがうおとなしい自分も、かわいさを自覚して媚びる自分も、ブチ切れてとんでもないことをしでかした自分も、神様になってすべてを力技で思いどおりにしようとした自分も、全部私。どれ一つとして、ダメでもなく、無駄でもなかった。と、全員を抱きしめる撫子を描いているところ。
どんな自分も、そのときの自分を幸せにするために動いている(あるいは動かない)。それは揺るがない事実なんですよね。
過去を受け入れたうえで、「私は過去の私ががっかりしない私になる」と決意する。今大事なものだけじゃなく、過去の私が大事にしていたもの(恋)への可能性も捨てない。過去がどんなものでも、過去も捨てない。
たった15歳で、こんなところまでいけるの? 私は40を超えてやっと気づいたのに。って思いました。すごいなぁ。
実をいえば、私はかつて、撫子ちゃんが嫌いでした。嫌いだと公言していました。
でもねぇ、今はわかるんです。
かつての私は、動くことが正義で、動かないことは悪だと思っていた。被害者に甘んじて、何もしないのは悪だと思っていた。一方、かわいいだけでちやほやされる撫子がうらやましかった。
そんな私の、世間を気にして勝手に作った自分ルールと嫉妬心を、「嫌い」って感情で教えてもらえていただけでした。同族嫌悪であり、抑圧した自分の鏡だった。
今は嫌いじゃないんです。撫子ちゃんが変わったからじゃなくて、前の撫子ちゃんも嫌いじゃないんです。彼女はいつも、必死で生きていただけだった。
彼女が「世界が簡単にできていないことが嬉しい」みたいなことを言ったのも、私の心に響きました。
せっかくプロセスを楽しめる体をもって物質世界に生まれてきたんだもんね。一瞬でできないのも楽しまなきゃ損だよねって思います。
とはいえ人間ですから、撫子ちゃんはこれからも揺れると思います。どんなに決意しても。どんな事件を乗り越えても。
その揺らぎを一緒に愛していけたらいいなぁ。そんなふうに思いました。
そんでもって、お話自体も本当に面白かった! ブルマ一丁とか、スクール水着とか、いでたちには物申したいことがあるけども! そこは私が女性だからだと思うので……
一番無害で、一番今撫子が軽視していたおと撫子が、一番したたかで、ラスボスたった。という展開。最後のほうまで読めませんでした。
ここでの余接ちゃんもよかったですね。変装したときのカジュアルな格好めっちゃかわいかった。撫子ちゃんが勝手に月火ちゃんから借りた服もすごくかわいかった! ファッションも楽しめました。
業物語
決死にして必死にして万死の吸血鬼、デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター!
鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード!
と、無駄に呼びたくなる名前がまた出てきた。
きっと後付けなんだと思うんだけど、キスショットが吸血鬼になった経緯が、その主の視点で描かれていましたね。
というわけで語り手はスーサイドマスター、深見さんへバトンタッチ。
アセロラ姫怖すぎました。何がどうしたら美しさだけでこうなるのか、と思ったんだけど、「美し姫」の童話(真綾ちゃんの語りすごくよかった)も一緒に配信されていたので観てみたら謎が解けた。あれが本当の話なんだとしたら、心の美しさに相手の心がつぶれてしまうみたいな話なんだね?
たとえ何度餓死しようとも、自分の美学を貫くスーサイドマスターの姿は美しかったです。
忍物語
満を持して語り手のバトンが阿良々木くんにわたりました。
ミイラって木乃伊って書くんだね。ということで、デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターが忍に会いにくる決断をしたことによって、世の中に絶望している女子高生が吸血鬼になってあれやこれやする話。
これは、ミステリものっぽく(戯言シリーズを読んでいるときのような)推理を楽しんで観ていました。
青春の暗い面? 高校生の、高校生だからこその闇に関しては、大変だったねぇみたいな、なんというか、俯瞰で見ている感覚でした。
私ね、ほんと、周りの大人が「学校だけが世界じゃない」って教えてあげないといけないと思っている。
狭い世界だけがすべてだと思っちゃうよ。じゃないと。自分で視野を広げることもできるけど、なかなか難しいよ。
それができなかった女の子が、吸血鬼に出会って、自分なりに、世界を広げることのできたって話なのかな。
誰も死んでいないみたいで、そこが本当によかった。
あと、スーサイドマスターが、忍が阿良々木くんを見つけたことを心から喜んでたのがグッときた。
600年会っていなくても、彼女にとって、忍は特別なんだなぁ。
あ、今さらですが八九寺ちゃんが元気に神様やっているのも嬉しかったです!(なんでこうなってるんだっけ? っていろいろ忘れていますけども……)
物語シリーズの変化
もう阿良々木くんはヒーローじゃないんだなぁって、改めて思いました。
私は阿良々木くんが、変態ムーブをかましながらも女の子たちをカッコよく救っていく話が好きだった。
でも、途中から、女の子たち自身が、どんどん強くたくましくなっていって、阿良々木くんの助けを必要としなくなった。
寂しいけど、物語シリーズは、各キャラクターたちが自分の手で、自分を救う話になったんだなって思いました。
もちろんね、それはそれで真実なんです。
「助けない。手は貸すけど」なんです。他人にできるのはあくまでも。(メメさんに! 会いたいよ!)
だけど、みんな一人だけで助かろうとしないでね、とも思います。
人は繋がりの中で生きているのだから、最終的に自分が自分を助けるしかないのだけれど、それでも、誰かの手を借りるという選択肢をもっていていいんだよと、思います。
これは、私が最近になってやっと気づいたこと。
私もずっと、一人で自分を助けようとしてきていたので。
これからも、この<物語>の中にいるヒロインたちが、全員幸せでありますように。


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